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4人に3人が利用 健康「食品」は安全なのか

健康食品を使ったことがある人はどのぐらいいると思いますか? 内閣府消費者委員会の調査によると、日本人の4人に3人(75%)が「利用経験者」と答え、多くの人が使っていることが分かります。ですが、みなさん健康「食品」だから安全なものだと思っていませんか。アンケートの結果からは、健康食品のちょっと危ない使い方も見えてきました。

◯×クイズ:「 健康食品は食品だから安全である」

▼健康食品の利用頻度、中高年の女性が高い

▼利用の目的は「体調の維持・病気の予防」「健康の増進」といった機能性(有効性・効き目)が多い

▼健康食品の複数摂取や医薬品との併用には注意を

「健康食品」、毎日の利用も

今回は、以下の調査をデータとして使います。

① 2012年の内閣府消費者委員会の1万人アンケート(※1)

② 2016年の東京都福祉保健局の都民1200人対象の調査(※2)

 では、さっそく健康食品が使われる現状をみてみましょう。

 まず健康食品の利用割合・頻度をみてみると、

 ①の内閣府の調査では、健康食品の利用経験者は75%でした。「ほとんど毎日利用している(26%)」「たまに利用している(32%)」をあわせると約6割になります。

 ②の東京都の調査では、最近1年間の利用状況を聞いています。「たぶん利用」を含めた利用者は66.4%でした。

 多くの人が保健機能食品(特定保健用食品・栄養機能食品・機能性表示食品)を含む健康食品を利用していることがわかります。

健康食品の利用「中高年の女性」が多い

 ①の調査で「ほとんど毎日利用」と回答した割合は、年齢が高くなるほど上がっていきます。60代・70代のグループが最も高く32.2%でした。

 ②の調査では、いわゆる健康食品を「利用したことがある」と回答した割合は、40~59歳が最も高く19.4%でした。

 性別をみてみると、①の調査で「ほとんど毎日利用」と回答した割合は、男性22.6%、女性29.7%と、女性の方が多くなりました。

 ②の調査でも、女性の方が多い結果となりました。

 年齢や性別による健康食品の利用傾向は、「中高年の女性」と親和性が高いことがうかがわれます。

健康食品に求めること「効き目」

 利用者は、どんなことを求めて健康食品を使っているのでしょうか?

 利用目的を尋ねた①の調査では、「体調の維持・病気の予防」(50.3%)が最も多く、「健康の増進」(43.2%)が続きます。(※複数回答可)

 購入時に最も重視することは「効き目・有効性(47.8%)」が最も高く、「安全性(27.6%)」「価格(18.4%)」でした。

 都の調査②の、購入や摂取時に最も重視することは、「効果・目的(20.2%)」が最も高く、次いで「原材料・内容成分(10.6%)」「値段(10.4%)」でした。

 健康食品の利用者の多くは、効き目・有効性(機能性)を最も期待していることがわかります。つまり、きちんと効き目・有効性が立証されていれば、価格は多少高くても構わないということかもしれません。

「健康食品」の不都合な事実

 保健機能食品(トクホ、栄養機能食品、機能性表示食品)も含め健康食品は全て「食品」です。食品と聞けば、「医薬品とは違って安全」「体に優しい」「副作用はない」と思うかもしれません。

 しかし、今回、覚えておいて欲しいことがあります。「健康食品が食品だからといって、安全だということを意味しているわけではない」のです。

 アンケートの結果からも、さまざまな副作用(健康被害)の実態がうかがえます。

 健康食品の満足度を聞いた①の調査では、「やや不満」「不満」と回答した人(41.2%)のうち、その理由の8割は「期待したほどの効果がなかった」でしたが、「体調が悪くなった(悪くなったと感じた)」を挙げた人が2.3%いました。割合としては少数ですが、見過ごせません。

 「健康食品を利用して体調不良を感じたことあるか」と聞いた②の質問では、年齢や性別に大きな差はなく、「ある(3.6%)」「確信が持てないがある(8.2%)」と11.8%の人が答えています。具体的な症状には、「下痢・腹痛(27.5%)」「吐き気・嘔吐(おうと)(19.5%)」「皮膚のかゆみ・発赤・発疹(16.1%)」が挙げられています。

 もし、健康食品に効果があるのであれば、副作用(健康被害)も必ず存在します。これは医薬品と同じです。食品だから効果だけあって副作用はないという都合のよいことはありえません。

食品、アレルギーや取りすぎは問題

 食品の副作用(健康被害)で覚えておいてほしいのは次の二つです。

(1)アレルギーの問題

 牛乳、卵、小麦、そば、エビ・カニなど有名なものは皆さんもご存じかもしれません。ですが、あらゆる食品にはアレルギーの原因となる可能性があります。

(2)量の問題

 体に良いとされている食品であっても、食べ過ぎれば、おなかが痛くなったり吐き気がしたり、下痢をしたりすることがありますよね。「過ぎたるは及ばざるが如(ごと)し」の格言のように、量には注意が必要です。特に錠剤やカプセルになっていると、思いがけず大量摂取につながってしまうリスクがあります。

クイズの答えは「×」になります。

 


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